専門家が解説!不安なくアシナガバチを駆除できる簡単3ステップ

ハチ駆除のノウハウ 2018.05.17

「ベランダにできたアシナガバチっぽい蜂の巣を駆除したいんだけど…『このスプレーがいい』とか、『この時間がいい』とか駆除のコツってあるのかしら…?」

あなたは今、そうお考えではありませんか?

「画像検索でとりあえずアシナガバチっぽいなあとは思ったけど、自分で駆除できるのかな?」
「スプレーも普通のハエ用みたいなものしかないし…でも蜂用のスプレー買いに行ったほうがいいのかしら…」

こんな状況ではないでしょうか。

アシナガバチの巣

申し遅れました。ハチのコンシェルジュの中村です。

アシナガバチ、この時期はよく出てきますよね。
私のところにもたびたび相談が寄せられます。

アシナガバチは、攻撃的になる時期じゃなければ自分で駆除することが可能です!

よく、「アシナガバチは滅多に刺してこないから大丈夫」と言いますよね。確かに、アシナガバチは普段おとなしく、1~2m近づいても刺してくることは少ないです。
しかし、時期や規模によっては攻撃性も増しているので、十分に気をつけて駆除を行う必要があります。

今回は、

  • 自分で駆除できる時期
  • 駆除方法

についてご紹介したいと思います。

また、アシナガバチとよく間違えるのがスズメバチ
こちらは攻撃性も高く、毒性も強いです。
間違えないように、見分け方もご紹介しておきますね。

「もうアシナガバチの駆除はバッチリ!」とあなたが安心できるように、この記事がお役に立てたら幸いです。

駆除前に確認!アシナガバチの基礎知識

「危険じゃないって言われてるけどほんとにそうなの?」
「やっぱり刺されたら痛いんじゃないの?」

駆除するぞ!となればいろんなことが不安になってきますよね。
ここでは、アシナガバチの特徴や攻撃性など、簡単にわかる「アシナガバチの基本」を説明します。

アシナガバチが一目でわかる!特徴をおさえよう

「たぶんアシナガバチだと思うんだけど…」そう思っても、もしスズメバチだったら怖いですよね。
しかし、ご安心ください!アシナガバチとスズメバチには明確な違いがあります

ポイントは巣を見ること

アシナガバチはスズメバチと比べて、巣にこのような特徴があります。

アシナガバチの巣
  • 大きいもので直径20cmほど
  • シャワーヘッドのような形
  • 巣穴はむき出しになっている

一方、スズメバチの巣はこんな感じの特徴があります。

スズメバチの巣
  • 縞模様
  • 巣への入り口はひとつ
  • 直径30cm〜80cmの大きさ

大きさや形状、巣への入り口など、違いは多くあるので見分けやすいです。
あなたのところにできた巣がスズメバチであれば、こちらの記事に詳しくスズメバチのことが書かれているのでチェックしてみてくださいね。

スズメバチの特徴・毒の危険性・刺された時の対処法を知りたい方はこちら
スズメバチが現れてもこれさえ読めば安心!知っておくべき6つのこと

スズメバチの駆除方法を知りたい方はこちら
役所 業者 自力の違いがわかる!プロがスズメバチの駆除方法を解説

危険かどうかは時期で決まる。アシナガバチの時期別危険度を紹介

「アシナガバチはスズメバチほど危険じゃないから大丈夫だよ〜」とよく言われていますが、それは春〜初夏あたりの、まだ巣が小さい時期のことです。

時期によっては攻撃的になるアシナガバチ。
時期別に、危険度をまとめてみました。

時期 アシナガバチの行動 危険度
4月上旬〜
5月中旬
巣の作り始め
5月下旬〜
7月
働き蜂の羽化
6月上旬~
9月上旬
攻撃的になる時期
9月下旬〜 衰退する時期

4月〜初夏のアシナガバチは落ち着きがある

このころのアシナガバチはまだ女王蜂1匹で巣を作ろうとしている時期です。
下のような巣の時ですね。

アシナガバチの小さな巣

女王蜂は攻撃性がゼロ
そのため、刺される危険がない状態でカンタンに巣を駆除することができます。

7月〜9月のアシナガバチは自分の巣を守ろうと攻撃的に

一方、7月頃には働き蜂がある程度の数生まれ、巣を守ろうとする体制ができ始めます
これが9月の巣が大きくなるピークに向けてどんどん攻撃性を高めていくのです。

密集してるアシナガバチ

この7〜9月頃のアシナガバチは、スズメバチ同様、巣に近くだけで針を向けて刺してくる種もいます
そのため、この時期のアシナガバチ駆除は十分注意して行なっていきましょう。

毒性はスズメバチよりも弱いものの、実は、痛みはアシナガバチのほうが強いんです。

時期別!プロがアシナガバチの駆除方法を伝授します

時期によって危険度はそれぞれと前の文章でご説明しました。

そのため、

  • 4〜5月:でき始めの巣の駆除の仕方
  • 6〜9月:成長した巣の駆除の仕方

の2つに分けて解説したいと思います!

アシナガバチは光がないと動けません。駆除は夜に行いましょう

タイトルの通りです。
どの時期のアシナガバチにも言えることなのですが、ハチは基本、光がないと飛べない生き物です。

そのため、夜に駆除することが一番安全と言えます。

4〜5月:でき始めの巣の駆除の仕方

用意するもの

用意するものはこちら。

①懐中電灯
巣までたどり着くのが困難な人は懐中電灯のご用意を。
しかし、前述したようにハチは光に寄ってくるので、赤いセロハンをして光を抑えましょう。

②ハサミ
巣を撤去するときに便利です。背の高いところにある場合は、剪定バサミなどを用いましょう。

③ビニール袋
撤去したときの巣を処分するための袋です。
巣や死骸を撤去したいのに!忘れた!とならないように用意しておきましょう。

④殺虫剤(スプレー式450ml×1本)
殺虫剤は、「ピレストロイド」という成分が含まれたものであれば、ハエや蚊などの一般的な殺虫剤を使用してOKです。

キンチョール

逆に、ハチ用のスプレー殺虫剤には要注意です。
なぜかというと、ハチ用のスプレーは殺虫力が強いものの、容量が少なく、噴射時間も短い(10数秒ほど)ためです。

しかも、ハチはハエよりも殺虫剤に弱いため、一般的な殺虫剤で十分対処できます。
「家にこれしかないけど…?」とお悩みの方も、まずは成分をチェックしてみてくださいね。

駆除方法

駆除はカンタン3ステップです。

①巣に2~3m近づきます。

②1〜2mの距離から殺虫剤を噴射します。
ハチが巣にいることを確認したら、殺虫剤を噴射!20~30秒ほどで大丈夫です。
殺虫剤が付着した蜂は、数秒〜十数分ほどで死亡します。

③巣の撤去
ハチがいなくなる、駆除したことを確認したら、ハサミで巣を切って除去します。
死んだハチは反射的に刺してくる可能性があるので、素手では触らないようにしましょう。

6〜9月:成長した巣の駆除の仕方

用意するもの

用意するものはこちら!

先ほどの

  • 懐中電灯
  • ハサミ
  • ビニール袋
  • 殺虫剤(ピレストロイドという成分が入ったスプレー式)

に加えて、働き蜂に襲われたときに備え、

  • 殺虫剤をプラス1本
  • 防護服

を用意します。防護服は、以下の3つのアイテムでつくります。

①雨合羽
雨合羽などのツルツルした素材は、ハチの針に刺されにくいため、身を守ることができます。

②軍手
軍手は片手で2枚ずつ使用して、刺されにくいようにしておきます。
雨合羽の袖口から入られないようにゴムなどで縛っておくといいでしょう。

③長靴
長靴も雨合羽同様、ハチの針が通りにくいため、おすすめします。
こちらも、長靴の入り口からハチが入ってこないように注意しましょう。

駆除方法

駆除はカンタン3ステップです。

①巣に2~3m近づきます。

②1〜2mの距離から殺虫剤を噴射します。
スプレーをすると、ハチが羽音をたててわめきますが、恐れずに2〜3分噴射を続けます。
少しでも殺虫剤が付着すれば、アシナガバチは攻撃力がなくなり、10分ほどで死亡します。

③巣の撤去
ハチがいなくなる、駆除したことを確認したら、ハサミで巣を切って除去します。
死んだハチは反射的に刺してくる可能性があるので、素手では触らないようにしましょう。

再発防止を防ぐ!駆除後にしてほしい処理を紹介

アシナガバチを倒せなかった場合は、同じ場所に巣をつくられることも

6~8月にかけての駆除は、倒せていないアシナガバチがいたとき、そこにハチが戻ってきて同じ場所に巣を作る可能性があります。

巣があった場所に、スプレーをしておきましょう

巣があった跡や周辺にスプレーを数10秒ほど噴射します。
そうすることで、戻ってきたハチも殺虫剤に触れて死亡するので、また巣を作られることを防ぐことができます。

アシナガバチ駆除でよくある質問

「もし駆除中に刺されたら?」「駆除はこのスプレーで大丈夫?」など、駆除に不安や疑問はつきません。
そこで、アシナガバチ駆除でよくある質問にお答えします。

もし、アシナガバチに刺されたらどうすればいいですか?

アシナガバチに刺されたときは、刺されたときに入った毒が体内に回らないようにすることが大切です。以下の処置を行いましょう。

  1. 毒を手でつまむor吸引機体外に出す
  2. 刺された場所を冷やす
  3. 抗ヒスタミン剤を塗る(市販でOK、薬局で売っています)
  4. ひどい場合は病院へ行く(皮膚科がおすすめです)

巣を駆除してもアシナガバチがまだ残っているときは?

巣を駆除しても、まだアシナガバチが飛び回っているときは、また同じ場所に巣を作ろうとしている可能性があります。
アシナガバチに直接殺虫剤をかけるか、巣を撤去した場所周辺に定期的に殺虫剤をスプレーしておくことをおすすめします。

ハチ用のスプレーはやめたほうがいいって聞くけどなんでですか?

ハチ用のスプレーが効かないわけではありません。
おすすめしない理由は、スプレーの噴射時間が短いためです。

一般的なハチ用のスプレーは、容量が350ml、噴射時間は10数秒ほど。
それに比べて、ハエ用などのスプレーは450ml数分は噴射し続けることができます。

アシナガバチは、ハエなどの虫より薬剤に弱いです。
そのため、一般の殺虫剤をおすすめしています。

ハチがとにかく怖いです。近寄られないための方法はありますか?

忌避剤といったハチが嫌いなものというのは、実は存在しません
しかし、ハチが寄ってくる服装や匂いはありますので、そこに注意しましょう。

ハチが寄ってくるもの

  • 黒い色のもの
  • 整髪剤の匂い
  • 甘い匂い
  • ひらひらした服装

また、アシナガバチが近寄ってきたときは、以下のような対策をとれば、うまく逃げることができます。

①目を閉じて下を向き、じっとする
②向かってくるハチとは別方向にゆっくりと後ずさりをする

アシナガバチを見つけたら声をあげてしまうくらいびっくりすると思いますが、とにかく「私は敵じゃないよ」ということを知らせることが大切。静かに、ゆっくりと逃げることが大切です。

巣が見つからないけどハチがさまよっています。なにかできることはありますか?

巣の場所がわからないときは、ハチの出入りが多い場所をさがしてみることをオススメします。
よく巣を作られる場所は、以下のような場所があります。

  • 室外機の中
  • 壁の隙間

もし自分での駆除が厳しい時は、役所や業者にも相談してみるといいかもしれません。

まとめ

アシナガバチを安全に駆除するために、

  • アシナガバチの特徴
  • アシナガバチが攻撃的になる時期
  • 時期別の駆除方法

について解説しました。

ざっくりまとめると、

  • アシナガバチかどうかを見分ける時は巣を見てみよう
  • アシナガバチは7~9月は攻撃的になるので自分での駆除は注意が必要です
  • 駆除におすすめな時間は夜。一般的な殺虫剤(スプレー)を使用しましょう

ということです。

この記事が、あなたのアシナガバチに対する不安を解消するものになることを祈ります!
以上、ハチのコンシェルジュ中村でした。